私とハウスメイトでの毎年恒例のキャンパーバントリップのご紹介です。
普段はお互い仕事や勉強と忙しくしているので、シドニーで年越しをしてからニューイヤーの休暇を使ってキャンパーバンをレンタルして、人里離れたビーチで何もせずのんびりするのを心から楽しみにしています。
ノーメイク、ノーシャワー、ノーインターネットの1週間です。
行き先:シールロックス(Seal Rocks)
今回もシドニーのCBDから約300㎞北にあるSeal Rocks(シールロックス)に行ってきました。
シールロックス周辺は綺麗なビーチが数多くあり日中は別のビーチで過ごすこともあります。
大きなキャンプ場もありますがそこはスルーして、半島の先端にあるボートビーチ(Boat Beach)の先っぽに車を構えて1週間ひたすらのんびりします。
ボートビーチはビーチを独り占めした気分になれるパーキングスポットが気に入っており、今回で4回目の滞在。
名前の通りこの辺りは冬には岩場に多くのSeal(アザラシ)が集まるようですが、今のところ夏しか行っていないのでまだアザラシは見ていません。
夏はイルカの大群を見ることができます。 南半球は日本と季節が逆なので、ニューイヤーは1年で一番暑い時期です。
ビーチが大好きな私たちにとって「起きたらビーチ」という最高の環境。 ただそんなシールロックスも最近よくホリデースポットとして話題にあがるようになってしまい、穴場ではなくなってしまう日も近いかも知れません。
起きたらこれ!
キャンパーバン
今回はこちらの車をレンタルしました。
毎回違う仕様、違うサイズのバンを借りていますがこれは大きすぎず、小さすぎず非常に使い勝手が良かったです。
荷物を詰め込む前のシンプルな状態です。
オーニングと呼ばれる日よけが付いている車がお勧めです。
日中日差しがかなり強い時間帯でも日よけの下で優雅に読書を楽しむことができます。
ビーチ用のパラソルやテントも非常に人気ですが、車に組み込まれたオーニングはセッティングが断然楽! 次回は引き出し式の収納やキッチンが付いているものをレンタルしてみたいと思っています。
ポップアップ式の天井が高くなるタイプや、ルーフの上にベッドを設置するタイプもあるのでぜひ試してみてください。
トイレ・シャワーは付いていない車を選びます。
初めてのキャンパーバントリップは張り切ってトイレ・シャワー付きの大きな車をレンタルしましたが、最終日にトイレが故障してしまい、直し方も分からないまま300㎞の帰路で地獄をみたのがかなりトラウマです。
初めてレンタルした思い出深いキャンパーバン
因みにボートビーチにはポータブルの簡易トイレ(野外フェスなどで見るやつ)が設置されており、毎朝業者さんが来ていわゆるぼっとん式のトイレを空っぽにしてくれるため、消臭も備品もかなり行き届いています。
※ただしこのサービスは夏の間だけかもしれません。
持ち物(女子編)
私はもともと荷物が少ないライトパッカーなのですが、それでも回数を重ねるごとにお洋服は更に少なくなって行きます。
1週間のトリップであれば、
・短パン×1
・ビキニ×1
・Tシャツ×2
・パレオ×1
・長そでシャツ×1(日差しが強すぎる時用)
・トレーナー×1(防寒用)
・ビーサンとスニーカー
最初はドライシャンプーやら流さないヘアトリートメント、ビキニも数着。。なんて女子っぽいものを持って行きましたが、使わないことが分かりました。
ビキニは夏の晴れた日なら10分で乾くので1着で十分でした。
役に立ったもの
虫よけスプレーとムヒEx:これが最強!
ヘッドトーチ:頭に付けられるタイプの懐中電灯。日が沈んでからのお散歩やお手洗いに便利です。
薄手のコットン製の長そでシャツ:日差しが強すぎる時に大活躍
ジップロック:食物をジップロックに入れてエスキーで保管したり、日焼け止め等の液状のものも移動中はジップロックに入れておくと安心です。
替えのシーツ:どうしても砂っぽくなるのでレンタカーに付いてくるシーツ以外にも自分で替えのシーツを持ち込みます。
クッション:多めに持ち込むと車内がかなり快適になります。昼間干してフカフカにしておきます。
旅行中のご飯
キャンパーバンにはガス式の簡易キッチンが付いていますが、これを使うのは朝のコーヒーを沸かす時のみでした。
普段から家で使っている通称ウェイバーと呼ばれる小型のBBQとガスタンクを持ち込み、お料理は主に車の外で行います。
火力が違いますし、フタがついているので風があっても安心してのびのびとお料理できます。 食材は途中の街ニューカッスル(New Castle)のスーパーでまとめ買いし、生鮮食品は持参の巨大クーラーボックス(オーストラリア人は「エスキー」と呼びます)で保管します。
今回新たに購入したエスキーは85リットルで、1週間氷が溶けないというツワモノです。
ただ大きくて場所をとるので滞在中は外に出しっぱなしでした。 水は15リットルのタンクと、持ち歩けるペットポトルサイズのものを購入し、飲料水を見かけるたびにトップアップしました。
また、ガソリンスタンドを見かけるたびに氷を買ってエスキーを冷やしていましたが、冷凍肉も4日間は凍ったままでしたし、大好きなビールやジンもエスキーでキンキンに冷やせます。
ボートビーチから徒歩15分ほどの丘の上に小さなキオスクがあり、割高ですが最低限のものは揃っているので、お水や氷といった滞在中どうしても追加が必要になるものはそこで購入していました。
キオスクの横にはコーヒートラックも来るのでフレッシュなコーヒーとクロワッサンの朝食をとることもできます。
BBQメニュー
小さなBBQだけでできるメニューをいくつかご紹介します。
朝食:卵とアボカドのトースト、スクランブルエッグ、ホットチーズサンド
ランチ:パンケーキとベーコン(パッケージに水を入れてシェイクするだけのパンケーキミックスは大活躍)、BBQチキンサンド(鶏肉は朝からエスキーの中でマリネしておきます。)
ディナー:ステーキとサラダ、豆の缶詰とひき肉でチリコンカン、シーフードBBQ 日が暮れてしまうとトーチを頼りに料理することになるので、暗くなる前には食べ終わるようにディナーを準備するのがおすすめです。
ライトハウスビーチでオーストラリアではピピと呼ばれる貝を拾ってバターとワインで蒸し焼きにしたのも美味しかったです。ただ、少し砂っぽかったです。。。海水に漬けて数時間しっかりと砂抜きをしましょう。
砂抜きは真水でするものと思っていましたが、海水が正解だそうです。
ボートビーチ
泳げる距離に島があったり、岸壁に上って半島を一望できたり、釣りもできるビーチ。日によってはサーフィンもできます。
華やかさはなく素朴なビーチなのですが、そこがまた気に入っています。
実際は昼間からお酒を飲みながら本を読んでほとんどの時間を過ごしています。何もしなくても時間は本当にあっという間に過ぎて行きます。
引き潮時の写真ではかなり岩が出て、島が近くに見えます。
ウニ!
寿司ネタで一番好きなウニを、お友達がとってきてくれました!
彼は35年間毎年夏休みをシールロックスのキャンプ場で過ごしてきたというエキスパートで、数年前にここで知り合って友達になりました。
ビーチが繋げてくれた素敵な出会いです。
先日好きなシーフードの話になった時、私の大好物はウニと言ったのを覚えてくれており、ビーチで読書していたら海からボートで現れ、言葉少なに写真の海産物(ウニや大きな貝、種類は定かでありませんがすごく美味しかった)を置いてまた海に消えて行ったスーパーヒーローのようなお方です。
その場で割ってもらい、生まれて初めて捕れたての生ウニをいただきました。
フレッシュなウニはびっくりするくらい全くクセが無く、海水の塩味で非常にさっぱりといただけました。
私がウニ体験を満喫している横でハウスメイトはあまりのビジュアルのグロさに引いておりました笑
貝はBBQしてお醤油で食べましたが、なんとなく日本の海の家を思い出す味
ライトハウスビーチ
写真の通りボートビーチは突き出したシールロックス半島の先っぽにあるので、辿り着くまでもビーチ、丘を越えた裏側もビーチです。
この裏側のライトハウスビーチが、一番のお気に入りです。
ボートビーチと異なり白砂のロングビーチで、4WDであればライトハウスビーチでもキャンピングが可能です。ただ、泳ぐときは急に深くなる場所があるのでくれぐれも気を付けましょう。
水際をよーく見ていると、山ほどピピ貝がいます。素手で簡単に捕れるので夕飯にもなります。
名前の通り丘の上にはライトハウス(灯台)があり、240度の絶景を望めます。エクササイズも兼ねてほぼ毎日登りました。
コパカバーナビーチ
別の旅行での話にはなってしまいますが、今年はオーストラリアの建国記念日であるオーストラリアデー(1月後半の3連休)にもキャンパーバンでシールロックスにほど近いコパカバーナビーチに行ってきました。
前出のビーチに比べると都会で、サーフクラブやカフェもあります。サーフクラブのシャワーやトイレも使えます。
コパカバーナビーチからはビーチに沿って歩けるウオーキングコースがあると聞いていましたが、下調べもせずに何の気なしに歩き始めると鬼のように長く、途中から完全なブッシュウォークになります。
次のビーチに辿り着くのにいくつかの山を越える必要があり、水も装備していなかったので残念ながら数時間で折り返して来ました。
結構なアップダウンがありましたがいくつもの素晴らしい絶景があり、リベンジ必須です。
コパカバーナビーチで見た日の出と、ビーチにたむろすアボリジニ
オーストラリアデー
コパカバーナビーチで目を覚ましたらビーチに人だかりができており、煙があがっていました。
オーストラリアではビーチで焚火は御法度のはず??!! 恐る恐る近づいて行ったところ、オーストラリアの先住民アボリジニのスモーキングセレモニー(火おこしの儀式)が行われていました。
聞いてみると、これは古代から伝わる神聖な儀式でその土地の植物を燃やした煙で土地を清め、人からは邪心を取り除きより良い未来を築くための浄化作用があるとのことでした。
そのエリアの酋長的存在の長が歌を歌う中、1人ずつ焚火に近づき、ひざまづいて煙を浴びます。
順番を待って全員が煙を浴びたところで最後にお祈りが捧げられ、消火されて儀式は終わりました。
因みにオーストラリアデーは、先住民であるアボリジニにとっては非常に微妙な日なのです。
古代からこの土地で生きてきたアボリジニから見れば侵略者であるイギリス人による大量殺戮が繰り広げられ、領土を奪われ、自由を奪われ、合意もなく自分たちの土地にオーストラリアという国を建国されてしまった日でもあるからです。
そのため、最近ではオーストラリアデーを祝わない自治体も増えてきています。 そんなセンシティブな儀式に、通りすがりの私たちを大変快く受け入れて儀式に巻き込んでくださった皆さんの懐の深さと平等な人間愛を感じました。
たまたまこのビーチに滞在していた私たちは本当にラッキーでした。
背景には私たちのキャンパーバンが写っています。
レンタカー返却時の注意
特にクリティカルなことはありませんが、返却アイテムが足りないと後日請求されるので気を付けましょう。
食器類や寝具は自分たちの持ち込みとごっちゃになりがちです。
返却時間に関しては、渋滞などで間に合わなくなりそうな場合は電話をしておけば問題ないことが多いようです。
その辺はさすがオージー、かなり融通が利くようです。
旅のルール
せっかくの不自由生活ですから、私はインターネットがつながる場所でも携帯電話の使用は最小限に控えるようにしています。(※ただし、心配をかけないように家族や友人には事前の連絡をしておいた方がいいと思います。)
また、完全にリフレッシュすることが目的なので、お互いあえて仕事や日常の話題は避けてその日を楽しむことに集中しているように感じます。
サーフィン、読書、ウォーキング、釣りなど、お互い好きな時にやりたいことを別々に楽しむのも良い旅行にするポイントだと思っています。
あとこれはハウスメイトと私の間でのルールですが、彼がキャンパーバンのレンタル料、ガソリン代、運転を担当します。私は飲食費と滞在中のお料理の担当です。(私は運転免許もありません)
これは2人の収入の差から彼が提案してくれた有難いルール。
予算
バンのレンタル料:1日$140(ハイシーズン)、その他シーズンでは$120
食費(ドリンク込み):約$500
まとめ
このキャンプ生活を「不自由生活」と表現しましたが、実際はのんびりする時間もままならない普段の生活の方が不自由に感じたりもしますよね。
綺麗なビーチや美味しいBBQもさることながら、キャンパーバンで好きなところに行き好きなことをして過ごすこの贅沢な時間が、忙しい日常とのバランスを調整してくれているのだと思っています。
私もハウスメイトも来年のトリップを今から楽しみにしています。