世界中で注目を集めているFIREムーブメントは、ミレニアム世代を中心に広がっている新しいライフスタイルを目指す動きです。
FIRE的な経済的自由を手に入れるためのポイントを、具体的な数字も示してご紹介していきます。
FIREのライフスタイルに興味がなくても、漠然とした将来の不安を少しでも軽くするためにFIREの仕組みや考え方は知っていて損はありませんよ!
FIREムーブメントから学べる大切なこと
FIREムーブメントとは、経済的な自由を手に入れて早期リタイアを目指す動きを指す言葉です。
アメリカでSNSを中心に注目が高まり今では世界的に広がりを見せています。FIREムーブメントには熱狂的な信者がいる一方で、その脆さや危うさを危惧する否定派も多く、熱い論議が交わされています。
賛否両論がある中でも、これまで敬遠されがちだったお金の仕組みを学ぶ機会を持ったり、自己資産を把握したりと、誰にとっても良い面があるのは紛れもない事実です。
そこでFIRE哲学から、いくつかの素晴らしいお金への理念を学んでいきましょう。
FIRE達成とはどういうこと?
FIREムーブメントとは何か分かったけど、ではどのような状態になったらFIREを達成したと言えるのでしょうか?
なんとなく億万長者になったら?いいえ、これにもしっかりとした根拠の数字が示し出すことができます。
年間支出の25倍の資金
FIRE達成には、1年間で使う生活費の25倍の資金が必要と一般的には言われています。
もちろん生活スタイルは人それぞれなので、厳密には言い切れませんが1つの目安とされ、これは毎月の支出額の300倍にも相当します。
これらもの数字もなかなかピンとこないかもしれませんが、もちろんちゃんと根拠のある数字です。
4%のルール
FIRE達成に必要な資金は、年間支出の25倍です。
この25倍の資金を投資によって4%で運用すると、年間支出額と同額になり、その運用によって得たお金で生活をすることができるのです。
分かりやすく説明すると、年間支出が300万円とします。「FIRE達成に必要な資金=300万(年間支出)×25=7,500万」となり、この7,500万円を4%で運用すると「7,500万×4%=300万」で、年間支出と同額になるのです。
このルールを使うと、FIREを達成し早期リタイアをしたとしても定年退職前に貯金を切り崩さないことになります。
この2つの考え方を元として、経済的自由を手に入れたらFIRE達成です。その後は、もちろん早期リタイアをしても、お金のために働くのではなく自分の本当にやりたい事を仕事として取り組むなどできます。
FIRE哲学を生活に活かす方法
FIRE達成がどのような状態か分かったところで、次はどうやってその状態にまで持っていくかです。
その過程に注目すると、私たちの日常生活にも活かせる知恵や考え方が見えてきます。
数を把握する
先ず1番に行いたいのが、今の自分の状況を把握することです。
現在の収入額、支出額、そこから導き出される貯蓄率、そして貯蓄額を紙に書きだしましょう。
計画を作成する上で、自分の置かれている現状を確認してからでしか今後の道筋は導きだせないからです。
これが正にFIRE支持者がスタートを切っていた方法です。
そして将来の予定を可能な限り細かく書きだしましょう。
それに伴う、支出や収入がどう変化していくかを見積もっていきます。
例えば、家族は増えますか?住宅ローンは?教育費や医療費はどうでしょうか?
もちろん将来は不確定です。でも具体的な数字を導き出していくことで、これまで漠然とした将来の不安だったものから問題点や対処法が考えていけるようになります。
支出を見直す
現状が分かった所で行うのが、支出の見直しです。
これは誰もが分かり切ったことと思いがちですが、その効果まではハッキリと理解していません。
もし1か月あたりの固定費を1万円節約すると、FIRE達成に必要な金額が300万円減ることになるのです。
目標金額が少なくなるだけでなく、支出削減にはもう1つの大きな利点があります。それは毎月投資できる資金が増えることです。
投資の蓄積スピードを上げることもFIRE達成には大切なポイントです。
これを聞くと、可能な限り支出を切り詰めようとしがちですが、極端な生活スタイルは長続きしない可能性が非常に高くなります。
それによって人生を楽しめなくなったら本末転倒。
必要なことは自分自身にとって価値のない出費を抑えることを検討し、楽しいことへの出費を維持していきましょう。
あくまでも資産を増やすことが第一の目的ではなく、自分の納得のいく人生を送るのが重要なのです。
投資をする
これまでのとは違い、投資は始めるのに少し躊躇してしまうかもしれません。
でも銀行の普通預金金利が0.001%のような時代では、ただ銀行にお金を預けているだけでは到底4%のルールで資産を運用することはできません。
今は少額投資も比較的簡単に始められるようにもなりました。いきなり4%のルールを意識するのではなく、先ずはお金の仕組みを学ぶための勉強と思い始めてみるのも手です。
投資を始めると、世界の出来事が他人事ではなくなり、時事に興味を持ったり、金融用語にも強くなったりします。
知らないからこそ不安なのは、投資も同じ。漠然とした不安から具体的な数字へと落とし込むだけで、それは大きな変化として表れてきます。
今回は具体的な数字を用いて、FIREの考え方や行動指針をお伝えしてきました。
これはFIREに興味がない人にでも、これからの生活の中で活用していけることばかりです。
現状を把握して経済的な不安を少しでも軽くすることで、人生をより楽しめるようになります。
なにより自分の中での優先順位がハッキリしてくるので、余計な物に惑わされにくいという特典も付いてきます。
少しでも興味を持ったらFIREの考え方を生活に取り入れてみましょう!