オーストラリアの首都・キャンベラから車でたったの45分で訪れることができるのが、ナマジ国立公園。
オーストラリアならではの雄大な景色が楽しめる場所として人気があります。
しかも、ここは古代アボリジニの人々の生活が垣間見られる観光スポットとしても知られています。そんな遺跡と自然が満喫できるナマジ国立公園の魅力をお伝えします。
ナマジ国立公園の基礎情報
ナマジ国立公園はキャンベラ市街地から車で約45分の距離にあり、都市から気軽に訪れることができる国立公園です。
オーストラリア・アルプスと呼ばれる森林地帯の一部で、豊かな森の中には静寂と絶景が広がっています。
またカンガルーやワラビーなど固有種をはじめとする数多くの野生動物も生息していて、ハイキングをしていると不思議そうにカンガルー達がこちらを見ていることもしばしば。
そんな野生動物たちの世界にお邪魔している感覚が味わえるのも魅力の1つです。
そして敷地内には2万年前の氷河期に暮らしていたアボリジニの人々の住居跡や壁画、儀式に使われた石の遺跡などが今でも残っており、当時の人々の生活を知ることができる場所でもあります。
その他にもトレッキング、乗馬、ロッククライミングやマウンテンバイクなど様々なアクティビティを楽しむことができます。
国立公園ですが入場は無料で、アクティビティやツアーによっては有料になります。
ナマジ国立公園での注意事項
ナマジ国立公園へはキャンベラから主要幹線道路を走って45分で訪れることができます。
でも、これはビジターセンターまでの時間なんです!
ナマジ国立公園は、キャンベラがあるACTの面積の半分以上を占めている程に広大な公園になります。
ビジターセンターまでは簡単に訪れることができますが、公園内の目的地までは意外と時間がかかる場合がありますので、事前に所要時間などをしっかり調べて計画的に訪れるようにしましょう。
また舗装されていない道も多く、冬になると積雪もしますので注意が必要です。
古代アボリジニの人々が残した壁画を見に行こう!
ナマジ国立公園の1番の見所と言っても過言ではないアボリジニの人々の遺跡。
ここに来たからには絶対に見逃すことはできません!
沢山ある遺跡の中でも、ガイド無しで自分たちだけで訪れることができるヤンキー・ハット・シェルターに残された壁画への行き方を詳しくご紹介していきます。
ビジターセンター
先ず必ず訪れたいのが、ビジターセンターです。ここで地図と最新の路面状況や気象情報を手に入れます。
またウォーキングトラック開始場所の駐車場には簡易トイレしかありませんので、ここでお手洗いを済ませておきましょう。
ヤンキー・ハット・ウォーキング・トラック駐車場
ビジターセンターからヤンキー・ハット・ウォーキング・トラック駐車場までは車で約40分です。
途中から舗装されていない細い道を走っていき、道はアップダウンが激しかったり離合が難しかったりする場所がありますが、どんな車でもアクセス可能です。
駐車場には簡易トイレとピクニックテーブルがあります。
ヤンキー・ハット・ウォーキング・トラック
このウォーキングトラックは往復でおよそ6㎞、所要時間は2.5時間です。
急勾配などもなく平坦な芝生や遊歩道などが大半なので、特別な装備も必要なくスニーカーで楽しめる初心者向けのコースです。
雄大に続く平野や湿地を歩いていくとカンガルーの大群に出会うかもしれませんよ。
1つ気を付けたいのが、ウォーキングトラックの道順が少し分かりづらい場所があることです。
遊歩道では問題ありませんが、整備されていない平野部では小さな看板が一定間隔で設置されているだけなので、それを見逃さないようにしましょう。
ヤンキー・ハット・シェルター
平野から少し山へと近づいてきた所にあるのが、ヤンキー・ハット・シェルターです。
先ず出てくるのが、アボリジニの壁画に関する案内標識です。
そこから更に100mほど進んだ先の巨石に古代の壁画を見ることができます。
ここにはカンガルーやエミューにディンゴなど彼らの身近だった動物達から亀といった海の生物までもが、朱色や白色で描かれています。
炭素年代測定を行った結果、800年以上前にこのシェルターを使用し始めたことが分かっています。
また近くからは、古代アボリジニの人々がその地域でキャンプを行い、おそらく3700年前まで絵を描いていたことが分かる遺跡も出てきています。
壁画は大変貴重な遺跡で、とても脆弱です。岩の表面には触れないようにしましょう。
オーストラリアでは、アボリジニの遺跡を損傷、妨害、または破壊することは犯罪行為とみなされますので注意してください。
キャンベラから気軽に訪れることができるナマジ国立公園では、広大な敷地内に豊かな自然だけでなくアボリジニの人々の長い歴史が感じられる場所です。
現地を訪れれば、遥か昔の古代へとタイムスリップしたかのような錯覚を味わえます。