広大な土地と豊かな自然があり、観光地としても人気のあるオーストラリア。
リタイア後の移住先や子供の留学、ワーキングホリデーをする場所としてもとても魅力があります。 私は29歳で日本での仕事を辞める決意をし、ワーキングホリデーを目的に渡豪しました。
まずは、シドニーで4ヶ月間、ホストファミリーにお世話になりながら語学学校でひたすら英語の勉強。
その語学学校で出会ったフランス人の友人と、シドニーからケアンズまで車でロードトリップをすることになりました。(オーストラリアでは、ロードトリップすることをラウンドすると表現します。)
ここでは、その時の話をしていきたいと思います。
シドニーからケアンズまではだいたい2,600km程度。日本で表すと北海道の稚内市から沖縄県那覇市の距離と同じくらいの距離があります。
私たちは23日間をかけて、合計3,901kmを運転しながら旅を楽しみました。
車(相棒)の紹介
まず最初に、私たちが乗っていた車からご紹介します。 トップの写真でもあるように1995年製造の三菱デリカスターワゴンを購入しました。
なんと26万キロも走行してるものです。
はじめは大丈夫なのかなと心配していましたが、オーストラリアでは走行距離が多いものも多く、車検に合格しているし、とにかく安いのでこれに決めることにしました。
後部座席は車中泊用に改造されていて、寝れるようにベッドになっています。
小さい冷蔵庫、キャンプ用品、サーフボード2つ、ガソリン用タンク2つなどのおまけもついてきました。
ガソリン用タンクは必需品!
広大なオーストラリアでは、一旦郊外にでると、ガソリンスタンドがないこともしばしばです。
内陸に入ってしまうと、ガソリンの価格こも高騰してしまうため、常に予備を持っておくことで、かなり安心することができます。
シドニーのボンダイビーチからポート・スティーブンス
シドニーのボンダイビーチが、私たちの出発地点でした。ボンダイビーチは学校が終わったら、毎日遊びに行っていたビーチ。
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オペラハウスを横目に、ハーバーブリッジを通りながら、最初の目的地、ポート・スティーブンスへ向かいます。
シドニーからは、3時間半の道のり。シドニーから離れ、郊外に出たら、あとは森と道だけのひたすらまっすぐの道。
世界最長の国道でオーストラリアを一周しているA1を走り続けます。
オーストラリアの道
オーストラリアの道は高速道路であっても、大きなシティー以外は無料です。
何ヶ月もかけて、オーストラリアを一周したりする人たちにとっては、本当にありがたいです。
ただ、オーストラリアの道は状態が悪く、大きな穴が所々あいています。
制限速度はだいたい80km/h〜100km/hで、110km/hが私が見た中での最高制限速度でした。
最初のうちは、片側1車線の対面通行で道路中央にポールがない場所などは、慣れるまで本当に怖いのでご注意を。 さらに、動物に遭遇してぶつかって事故になることや、道路脇などに動物の死骸が転がっているのを目にすることもしばしば。
はじめて、カンガルーの絵が書かれた道路標識を見たのもこの時です。 スピード違反の罰金も、本当に厳しいので注意が必要。
1km/hでもオーバーしたら、可能性があると思って下さい。ちなみに、私は5km/hオーバーでとられたこともあります。駐車違反もすごく厳しいので注意が必要です。
ポート・スティーブンスに到着
無事に、ポート・スティーブンスのティーガーデンズに到着。お茶の庭?オーストラリアの地名はなかなかユニークで可愛いものも多いです。
その日は、キャラバンパークで1泊。
シャワー、トイレ、インターネット、洗濯機などが完備されてるキャラバンパークはオーストラリアのいたるところにあります。(※施設によって、多少違います。)
車内に泊まるか、部屋の中で泊まるかを選択することができる場所もありますので事前にインターネットで調べてから行くといいと思います。
ポート・スティーブンス周辺のビーチ
次の日は、ポート・スティーブンスの周辺のネルソンベイとリトルビーチへ。
砂浜に寝そべってお昼寝したり、ビーチにあるバーベキューができるところで、ランチを作って食べたりとそれぞれ思い思いの時間を満喫。
オーストラリアの公共施設
オーストラリアは、公共の施設がとても充実しています。
公園はもちろん、ビーチでも誰でも無料で使う事の出来るバーベキュー設備があったり、エクササイズする人のために遊歩道やサイクリングロードがあります。
ジムにある筋トレ用のマシンがあったり、シャワーも浴びることができます。公共の場でお酒を飲むのは禁止されていますが、家族や友達同士で集まり、バーベキューをしているのはよく見かけます。
リトルビーチは、名前の通り本当に小さなビーチですが、人も少なくリラックスするにはオススメのビーチです。
バイロンベイからゴールドコースト
バイロンベイでは、灯台を見に行ったり、サーフィンしたり、ビーチで泳いだり、寝たりと…。
バイロンベイはゴールドコーストからも車で近く、サーファーやヒッピーな町としても有名な場所。
ただ、あいにくの雨だったので、早めにきりあげてゴールドコーストを目指して移動。
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サーファーズパラダイスに到着
人生初のバックパッカーに宿泊しましたが、この旅の中で、最初で最後のバックパッカーでの宿泊となりました。
というのも、泊まったとこが本当に汚かったんです。
しかも、旅行をできるだけ安くしたくて、大部屋で泊まったのですが、個室にすればよかったととても後悔。
大きい部屋に何台もの2段ベッドが置かれていて、トイレもシャワーもみんなで共同。おそらく10人部屋くらいだったと思います。
クラブに併設されているバックパッカーだったので、夜中でも音が聞こえるし、酔っぱらいが帰ってきたりして、一晩中ゆっくりできませんでした。
施設によってはキレイで静かなところもありますが、選んだ場所が悪かったみたい…
ゴールドコースト観光
翌朝は、あいにくの雨。
ここから数日は移動せず、ゴールドーコーストに滞在し、ワーナーブラザーズ・ムービーワールドとシーワールドと ウェットアンドワイルド ゴールドコーストで遊びまくります。
3dayパスなどいろんな種類のチケットが売られているため、旅行のスケジュールにあったものを購入することができます。 その中でもウェットアンドワイルド ゴールドコーストは特におすすめ!
ここには、いろんなタイプのアトラクションがあり、子供から大人まで楽しめるものが19種類もあります。
中でも、チューブウォータースライド、サーフライダー、ラフトライド、ボディーウォータースライドがおすすめ!
スリルがあって、ボディーウォータースライドは連続で乗りたくなるほど面白いです。
暑い季節にゴールドコーストに行かれた際は、ぜひ行ってみてください。 2日間で全施設を利用してしまったけれど、3dayパスを買っていたので、もう一度ムービーワールドに行こうと決めていました。
ただ、当日になって、雨ということもあり、友人から突然のキャンセル。。
せっかく3dayパスを買ったのにもったいない。という思いと、毎日の小さいことの積み重ねでついにここで問題勃発!
異文化の違いを学ぶ
計画したことは、確実にこなそうとする日本人とその日の気分で動き自己主張をする人。
根本的に違うので、最初は自己中心的な人だなーなんて思ってしまいましたが、この時に自己主張することの重要性、それぞれの違いを尊重し、受け入れることの大切さを学びました。
日本に居るときは、自分の意見は特になく、みんなに意見を合わせ、みんなと同じようにと行動していました。
その方が楽ですしね。
でも、ここでは自分の意見がなく、主張ができないのは致命的。
オーストラリアは多国籍の国であって、文化や食事、宗教、価値観などすべてが違います。
人それぞれ違っていて当たり前という考えなのですから、それぞれの意見が違っていても気にすることはありません。
この時から、私も意識的に主張し始めるようになり、今ではよく『日本人らしくないね。』と言われるようにまでなっています。
夜はカジノ
夜はジュピターズというホテルとカジノが併設されているところに、ドレスアップして行きました。
残念ながら、カジノ内では写真撮影ができなかったのですが、カジノ初心者の私はルーレット。
マーメイドビーチ(Marmaid Beach)
お酒を飲んで、ぐっすり寝た次の朝は、マーメイドビーチに移動して、砂浜でのんびり。
オーストラリアの海は、ほんとにどこに行ってもキレイです。
東海岸沿いを旅しているので、海に行きたくなったら、すぐに行けるのも最高です!
マウント・クーサ
マウント・クーサという夜景が綺麗で有名な場所。
お昼過ぎに到着し、展望所から眺めを楽しんだ後、山にチャペルの案内があったので歩いていくことにしました。
私たちは2人ともすぐ着くだろうと思って出発したものの、1時間以上も歩けど歩けど到着できず、人ともすれ違うことも全くなく不安になった私たちはUターン。
日差しも夕方に向けて弱くなってきていましたが、どうしても夕焼けを展望所から見たいので、汗だくになりながら猛ダッシュ。
結局チャペルまで何キロだったのかは、未だにわかりません。
タンボリン山
次の日も山へ向かいます。 タンボリン山という、私のホストファーザーがオススメしてくれた場所です。
- タンボリン国立公園
- ウィッチズ・フォールズ国立公園
- パームグローブ国立公園
この三つの国立公園に行きましたが、合計で10Km以上は歩いたと思います。
公園内を歩いていると、見たこともないような大きな木、野生のトカゲやヘビに出会うことができます。 木々や草花も、日本の種類とは違うため、そういった面でも楽しむことができます。
ただ、天気が急に変わることがあるので、特に大きい公園に入るときはきちんと準備をしてから入ることをオススメします。
この日は、それからサンシャインコーストに移動し、ぐっすりと就寝。
憧れの町ヌーサ(Noosa)へ
お天気のいい日は、朝、車を洗車したり、タイヤの空気を入れたり、車のメンテナンスをします。
ロードトリップをしていると、車道にバーストしたタイヤがちょくちょく落ちています。
タイヤの溝や空気圧には注意が必要です。 車のメンテナンス後は、憧れの町ヌーサ(Noosa)へ。
有名なリゾート地で、家族連れ、カップル、サーファーたちがたくさんいます。
ビーチも楽しめ、すぐ近くにナショナルパークもあります。
ショップやカフェ、レストランもあり、小さい街なのに困ることはなく、とても良い街です。
ヌーサの次はレインボービーチに移動して一泊。
カルロサンドブロウに感動
朝目覚めて、予定を入れてない日だったので、二人してダラダラ。ガイドブックをペラペラ。
でも、1日中何もしないのももったいないので、どこかに行こうということになり、近くにあるクーローラ・ナショナルパーク、グレートサンディ国立公園に向かいました。
そこまでの期待もなく行ったのですが、パーク内にある、カルロサンドブロウにはこんなにキレイな場所があるんだと、とても感動しました。
空と海と砂。この3つしか目に入ってきません。
あとは風に吹かれているだけです。オーストラリアの大地のパワーを感じる事の出来る場所だと思います。
そしてiphoneがない。。
夕方、感動の余韻に浸っていたら、友人がiphoneがないと大騒ぎ。私たちの車は古くカーナビがついていなかったため、スマホのGPSを使って旅をしていたので、大慌てです。
唯一の救いは、パーク内ではないとわかっていたこと。
車の中や買い出しに行ったお店にも行きましたが、結局、車の中のクーラーボックスの下敷きになっているiphoneを発見。
感動と怒りに震えた一日となりました。
待望の「フレーザー島」
ついに待ちに待った日がやってきました。
私たちの2大目的地の1つのフレーザー島。雨の予報だったにも関わらず、天候にも恵まれ、準備万端です!
フレーザー島の1日ツアーを申込みましたが、1人約150豪ドルほどで、朝の7:30にレインボービーチを出発し、フェリーに乗って島まで渡ります。
その後、4WDの大きなバスに乗り込み、島内を移動するのですが、道のぬかるみがひどくバスはかなり揺れます。
乗り物に弱い人は、必ず酔い止めを飲むことをおすすめします。
透明度の高いマッケンジー湖
1時間かけてようやく到着したところは、マッケンジー湖。
淡水でできている湖で、透明度がものすごく高いです。
フレーザー島は、世界最大の砂でできた島のため、白い砂と水の透明度が、さらに湖の美しさを引き立ててくれます。
温度も25度程度と、泳ぐのにも最高でした。
ディンゴを発見!
それから、75マイル程度ビーチを車で走ります。
ぜひディンゴ(Dingo)というオオカミのように見える犬を探してみてください。
オーストラリア周辺に生息するタイリクオオカミの一種と言われていて、性格はどう猛なようですが、車の中からだとかわいいです。
そのほかにもフレーザー島には病院船として運行されていた、難破船のマヒノ号もあります。 ツアーを終えて、この日は、ロックハンプトンに移動。
ロックハンプトンからエアリービーチ
次の日は、ロックハンプトンからヤプーン、そしてマッカイの順で立ち寄りながら北上していきましたが、特にロックハンプトンはすごい田舎町でした。
このあたりからグレートバリアリーフの存在により、海が穏やかな、茶色く濁っているところが増えてきます。
マッカイからエアリー・ビーチへと移動していきますが、エアリー・ビーチは、有名なホワイトヘブンビーチのあるウィットサンデー諸島の玄関口です。 早速、ホワイトヘブンビーチにいくツアーの申し込みを済ませ、リゾート地でもあるエアリー・ビーチで散歩したり、ラグーンというプールで泳いだり、レストランで食事を楽しみました。
もう一つの目的地「ホワイトヘブンビーチ」
2大目的地のもう1つは、ホワイトヘブンビーチ。
もちろんここでも、船に乗って島に渡ります。
乗り物酔いをしないひとでも、少し船酔いしてしまうくらい船が揺れるので、酔い止めは飲んでおいたほうがいいと思います。
乾季は特に海が荒れて、揺れるそうなので、行く時期も念頭にいれておくのが無難です。
まずは島の近くのポイントでシュノーケリング。キレイな珊瑚礁に魚、そしてラッキーなことにウミガメとも泳ぐことができました。
ビーチでバーベキューをしたあとは、軽く山登りをしながら、展望台を目指します。
そこから見える景色もとてもキレイで、また訪れたいと思える場所です。
ボーエンに移動
夜はそこからボーエンに移動して一泊。
ボーエンは田舎町ですが、映画『Australia』のロケ地として、ニコールキッドマンやヒュージャックマンが訪れたようです。
行くのであれば、映画を見てから行った方が楽しめるはずです。 そこから、タウンズビルに移動しますが、ここまでくるとケアンズが近づいてきていることを実感します。
タウンズビルは、水族館や展望台、そのほかカフェやレストランも充実。ミッションビーチにも少し立ち寄ることにしました。
クラゲが発生するシーズンのためか誰もいなくて、まるでプライベートビーチのよう。
ビーチに寝そべり、昼寝、読書、日記を書いたりしながら、リラックスしたひと時を過ごすことができます。
ケアンズに到着
ついにこのロードトリップの目的地であるケアンズに到着。ここで、旅は一旦の終了をします。
熱帯雨林とグレートバリアリーフがあるケアンズは、シドニーやメルボルンに比べると小さな街です。
ですが、世界遺産があったり、豊かな自然の中に流れる川や島でのアクティビティ、水族館や動物園、海岸沿いのラグーン、ナイトマーケットなどなど、車で15分も走れば、リゾート地にもすぐに行けるような場所です。
最後に
23日間というロードトリップですが、ほんとにあっという間に終わりました。
旅が終わると同時に、よくケンカもしていた友人との別れの時がきましたが、とても寂しくなったのを覚えています。
リタイアしたら、次は西海岸を旅してみようかなと考えています。